マネージャーブログ

Feb 23, 2010

太陽電池出荷倍増

2009年の太陽電池の国内出荷が発電能力ベースで前年の2.1倍の48万4000キロワットになったと、太陽光発電協会が発表した。
08年の市場規模は韓国に次ぐ世界6位に後退したが、09年は米国、ドイツに次ぐ3位グループに浮上する見込みだという。

昨年1月からの政府の住宅向け太陽光発電装置への補助制度が再開され、11月には余剰電力の固定価格買取制度も始まったことが功を奏したようだ。
エネルギーの自給を増やす太陽光発電への補助や固定価格買取制度は、買い替えでかえって大型化したり、廃棄物が増えるエコカー減税・補助金制度や家電のエコポイント制度よりずっと筋がいい政策だ。

太陽光発電所ネットワークの都筑建事務局長によると、個人住宅用の太陽光発電が8割を占めるというのが日本の特徴だとのことである。これは、分散型の電力供給源が身近に普及しているということで、災害時など系統電力が断たれたときのセキュリティ対策としても大きな意味をもつ。
太陽光発電設備を作るために投入したエネルギーを何年で取り戻せるかというエネルギーペイバックタイムは最近の製品では2年以内になったという。発電コストもここ数年でキロワットアワー当たり20数円という電力会社が家庭に販売する価格にまで下がりつつあり、2030年には火力や原子力の発電所の電力を電力会社が売り買いする7円程度の水準にまで下がると予想されている。

電力需要は夏場の暑い時期にピークを迎えるが、その時期は太陽光発電が最も多く発電する時期でもあり、ピークカットの効果も大きい。ピーク時を乗り切るための火力発電等によるCO2排出もカットできるということである。

特に家庭単位でエネルギーの地産地消を実現する住宅用太陽光発電は、発電規模や効率を重視した電力会社や大資本の一極集中型メガソーラー発電とは異なる価値や魅力をもっている。もっともっと増えてほしいものである。

Feb 09, 2010

知足

「知足」は、わが社の社訓である。
15周年のときに定めたもので、正式には、次のようなものだ。

知足
足るを知る
足で知る
足もとを知る

まず、ひとつめの「足るを知る」は、「足るを知るものは富む」の教えとともに、人々の満足とは何かを探求するのがわれわれの役割であるという意味を込めている。

ふたつめの「足で知る」は現場主義である。答えは場にあり。インターネットであらゆる情報や知識が入手できそうな時代ではあるが、現場に足を運び、そこに身を置いてはじめて感じ、つかむことができることは多い。

そして三つめの「足もとを知る」は、自らの存在を支える社会や環境の構造とその動向を知るということである。それには知りえた事実の的確な理解とともに、社会、環境、次世代への想像力を最大限に働かせることが必要である。

ついでに言うと、わが社の企業理念は「ピープルズシンクタンク」である。
ピープルとは、特定の階級・階層の人々ではなく人類史の普遍的な担い手を指す。そのピープルの視点から、社会、環境、次世代への想像力を最大限に働かせて人類史の進むべき方向を示すと言うのが、ピープルズシンクタンクの理念である。
ノルドという社名は、「北」を意味している。羅針盤のように人類史の進むべき方向を示し続けたいという願いを込めている。

そんな社訓や理念を掲げるわが社であるが、強い北風のような厳しい経済環境下ではご多分に漏れず足もとに寒さを感じる。
民需が不振のときは官公需にシフトして何とか凌いできたが、長い不況に加えて国も地方も財政危機の中、官公需市場も過当競争の時代を迎えている。
冷たい風が吹きすさぶ中で、すっかり足もとが冷えてきたようだ。じっとしていたのでは、足は温まらない。自分の足を使って歩き回ることで体も心も温めることができる。

「足もとを知る」ために「足で知る」努力が必要だ。いまこそ社訓を噛みしめるときのようだ。生き残りをかけて、頭以上に足を使っていかねばなるまい。

Jan 30, 2010

「いのちを守りたい」を守りたい

1月29日、鳩山由紀夫首相は施政方針演説で、「いのちを守りたい」と繰り返した。
生まれくるいのち、そして、育ちゆくいのちを守りたい。
働くいのちを守りたい。
世界のいのちを守りたい。
地球のいのちを守りたい。
いのちを守る予算。
いのちを守る医療と年金の再生。
働くいのちを守り、人間を孤立させない。
いのちを守るための成長を担う新産業の創造。
いのちを守る社会。
いのちを守るための協力、そして、文化面での交流の強化。(東アジア共同体)
いのちを守るための「新しい公共」。
人のいのちを守る政治。

そして、マハトマ・ガンジーの「七つの社会的大罪」の紹介。
「理念なき政治」
「労働なき富」
「良心なき快楽」
「人格なき教育」
「道徳なき商業」
「人間性なき科学」
「犠牲なき宗教」

「労働なき富」に対しては、「お前のことだろう!」という野次も飛んだようだ。しかし、鳩山首相が自分の政治理念としてこの七つの大罪を踏まえて、歩みを進めることを否定する理由はない。
「いのちを守りたい」という言葉には、鳩山首相らしい高い志と知性を感じさせる。小泉、安倍、福田、麻生という最近の自民党の首相にはなかったものだ。

具体策が見えない、財政再建の方向性が示されていないなど、野党やメディアの批判は当然ある。政権交代が実現して間もなく、まだ、霞ヶ関にもその周辺の記者にも自民派の残党がたくさんいるのだから、やむを得ない。
しかし、理念を示すことは、首相の施政方針の最も重要な役割であり、それに耳を傾け、それに共感しえるならば、その実現の具体策をそれぞれの持ち場で考え、実行するのがわれわれとしてのいのちの使い方だろう。

私としては、鳩山首相の理念に共感できるところが大なので、「いのちを守りたい」という理念をぜひ守りたいと思った。

Jan 04, 2010

アバターとヤマト

この年末年始で正月映画を4本も見てしまった。

まずは「アバター」。
目が疲れそうなので、3D版ではなく、通常版を見た。タイタニックやターミネーターでおなじみのジェームズ・キャメロン監督のつくる映像はすごい。3D版でなくとも、十分な迫力だ。

パンドラという星の体長3メートルの先住民族ナヴィは、青みがかった縞々の皮膚で少しグロテスクなのだが、実写のようにリアルに動く。パフォーマンス・キャプチャーという技術で、特殊メイクなしで俳優の演技がそのままCG映像になるという。人間との絡みも本当にリアルだ。表情豊かに感情表現もできるので、最初グロテスクだと思っていたヒロインのナヴィが、いつしか美しく感じられ、見ている私が彼女に恋をしてしまいそうになる。

地球人はパンドラの鉱物をねらって、その熱帯雨林のような自然を破壊しようとするが、パンドラの多様な生物を育む生態系そのものにこそ、ずっとずっと価値があるというメッセージが込められている。まさに生物多様性年の今年にふさわしい映画だ。

2本目は「カールじいさんの空飛ぶ家」。
冒険好きの夫婦の幸せな人生が短かく描かれたあとに、妻に先立たれたカールじいさんと迷い込んだ少年との空飛ぶ家による冒険が描かれる。後半の冒険物語はいかにもアクションアニメだが、前半のカールじいさんと妻との回想は、ちょっといい感じのものがある。私もこんなささやかな幸せを大切にする夫婦生活に憧れて結婚したはずなのに、なんて考えさせられたりしたりして。

3本目は「釣りばか日誌20ファイナル」。これはちょっと期待はずれ。北海道でハマちゃんがイトウを釣り上げ、リリースするシーンがある。イトウの保護がメッセージのはずが、いかにも釣り人のわがままを感じさせる。最後のスーさんの社員全員を前にした演説も、会社は社員のためだとか、未曾有の危機に際して私は報酬を一切受け取らないとか、何か企業経営や労使関係の捉え方が浅薄で興ざめだ。
「釣りばか日誌」は、やはりビッグコミックオリジナルで読むに限る。

4本目は「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」。
いやあ西崎義展監督やってくれました。設定のスケールが雄大です。
西暦2220年。移動式ブラックホールが太陽系に接近、地球滅亡まで3ヵ月。人類が生き残るために、地球から2万7千光年の彼方、サイラム恒星系惑星アマールの衛星へと大規模な移民がはじまる。移民船団を率いるのが古代進艦長の宇宙戦艦ヤマトである。これを阻もうとするのが大ウルップ星間国家連合。その議長国家SUSのメッツラー総督は地球が侵略の意図をもって宇宙に進出していると断定、移民船団の前に立ちはだかる。

このスケールの大きさは、カールじいさんの家はもちろん、スーさんの鈴木建設の未曾有の危機など問題にならない。そして、アバターの舞台パンドラは、地球から5光年離れたアルファ・ケンタウリ系の惑星ポリフェマスの衛星という設定だから、やはりヤマトの設定のスケールはアバターよりも雄大ということだ。

今回のヤマトが伝えたいメッセージは、古代進の最後のセリフに集約されているという。
「生き残るべきはヤマトではない、地球だ!」。

なつかしいアニメの劇場版についえこひいきして感動した今年の正月映画でした。

Dec 31, 2009

2009年の印象に残ったニュース

【1月】
5日 「年越し派遣村」が解散。
15日 米USエアウェイズの国内旅客機がハドソン川に不時着(乗員・乗客155人無事)
20日 オバマ米大統領就任式
【2月】
5日 円天会長ら逮捕
6日 ホンダ新型ハイブリッド車「インサイト」を発売
17日 中川昭一財務相辞任
22日 米アカデミー賞で日本作品ダブル受賞(外国語映画賞「おくりびと」、短編アニメーション賞「つみきのいえ」)
23日 SFCG(旧商工ファンド)破綻
27日 米シティ公的管理に
【3月】
2月 人材派遣大手・旧グッドウィルが製造業派遣から撤退
3日 小沢一郎民主党代表の秘書逮捕
7日 上村愛子が世界選手権優勝
10日 日経平均バブル後最安値更新7,054円98銭。
16日 「真相報道バンキシャ!」問題で日テレの久保伸太郎社長が引責辞任
19日 群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」で火災(入所者10人死亡)
23日 日本がWBC連覇
27日 政府が初のミサイル発射命令
29日 千葉県知事選で森田健作氏初当選
【4月】
1日 ハンセン病問題基本法施行
5日 北朝鮮ミサイル発射
5日 オバマ大統領プラハで「核なき世界」提唱
10日 15兆円の経済対策(エコポイント、エコカー補助金)
23日 SMAPの草剪剛さん公然わいせつ容疑で逮捕
24日 新型インフルエンザ、メキシコで60人死亡
30日 米自動車大手クライスラー破綻
【5月】
1日 三井住友、日興コーディアルを買収
9日 新型インフルエンザ、国内で初確認
11日 民主党小沢代表が辞意表明
16日 民主党新代表に鳩山由紀夫氏
18日 トヨタ新型「プリウス」発売
19日 日本漢字能力検定協会大久保昇前理事長ら逮捕
21日 裁判員制度開始
25日 北朝鮮が地下核実験
【6月】
1日 米自動車大手ゼネラル・モーターズ破綻
4日 足利事件、菅谷利和さんを釈放
6日 サッカー日本代表が4大会連続のW杯
7日 全盲の辻井伸行さん米バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝
9日 村上春樹「1Q84」が計100万部突破
10日 麻生首相温室効果ガス05年比で15%削減を表明
11日 新型インフルエンザ拡大、WHO警戒度を最高のフェーズ6に
12日 鳩山邦夫総務相が辞任
14日 郵便不正で村木厚子厚生労働省雇用均等・児童家庭局長逮捕
17日 政府が景気底打ち宣言
22日 セブン−イレブンに排除措置命令
23日 テニスのクルム伊達公子が13ぶりにウィンブルドン出場(38歳)
25日 マイケル・ジャクソンさん急死
30日 民主党鳩山代表「故人献金」認める
【7月】
1日 新生銀行・あおぞら銀行合併へ
2日 国際原子力機関(IAEA)事務局長に天野之弥氏
4日 北朝鮮が日本海にスカッドミサイル発射
8日 宝塚脱線事故でJR西日本社長山崎正夫氏を在宅起訴
8日 水俣病被害者を救済する特別措置法が成立
10日 イタリアのラクイラ・サミットで核軍縮・不拡散に関する首脳宣言まとめる
12日 都議選で民主党躍進
13日 キリンとサントリーが統合交渉入り
13日 改正臓器移植法が成立
14日 三宅一生さんが米紙に核廃絶の投書
15日 第141回芥川賞・磯崎健一郎さん「終の住処」、直木賞・北村薫さん「鷺と雪」
16日 北海道大雪山系トラウシ山などで中高年登山客遭難(10人死亡)
21日 衆院解散
31日 国際宇宙ステーションに4ヵ月半滞在したした若田光一さんが地球に帰還
【8月】
3日 全国初の裁判員裁判はじまる
4日 俳優の押尾学容疑者逮捕
8日 タレントの酒井法子容疑者を逮捕
11日 静岡で震度6弱の地震
16日 ウサイン・ボルト100メートル9秒58世界新
28日 失業率、最悪の5.7%
30日 総選挙で民主党308議席獲得で政権交代へ
【9月】
1日 消費者庁が発足
6日 マリナーズのイチローが大リーグ2,000安打
7日 映画「ヴィヨンの妻」がモントリオール世界映画祭で最優秀監督賞
16日 鳩山内閣発足
17日 前原誠司国土交通相、八ッ場ダム建設中止を表明
19日 「クレヨンしんちゃん」の作者、臼井儀人さん群馬県・荒船山で遺体で発見
22日 国連総会気候変動首脳会合で鳩山首相が2020年までに1990比で25%削減の中期目標を表明
24日 国連安保理首脳会合で「核なき世界」決議
【10月】
2日 16年五輪は東京落選、開催地はリオデジャネイロ
9日 オバマ大統領にノーベル平和賞
11日 広島と長崎が五輪の共同招致を発表
19日 新型インフルのワクチン接種始まる
20日 貧困率政府初の発表07年は15.7%
22日 ウィンドウズ7発売
【11月】
4日 ヤンキース松井秀喜がワールドシリーズで日本人初のMVPに
7日 巨人が日本シリーズ制覇
11日 事業仕分け始まる
13日 オバマ大統領が初訪日
25日 ドバイ・ショック
【12月】
1日 流行語大賞に「政権交代」
9日 スズキ・フォルクスワーゲンと資本提携
19日 国連気候変動枠組み条約第15回締結国会議(COP15)合意できず閉幕
21日 パナソニックが三洋電機を子会社化

Dec 30, 2009

ガーラにガムを

今年も、あと1日。
やり残したことはいろいろあるが、ここ数年ずっとやり残したと思っていたことをひとつ実現した。
ほぼ10年ぶりのスキーだ。

大晦日の前日、昨日駅で見たGARA湯沢の駅貼りポスターに刺激されて、インターネットを覗いた。天気は晴れで、雪質は新雪で良好とのこと。
これは、行くしかない。

朝、クローゼットのそうじをするふりをして、昔のスキーウェアとグローブを探し出す。罪の意識から、居間の窓拭きだけして、「ちょっと出てくる。お昼ごはんはいらない。」とだけ家人に言い残して、すばやく家を出る。小さなリュックにウェアのボトムとグローブと毛糸の帽子が入っている。スキーウェアのジャケットは羽織っているが、下は普段着のジーンズ。たぶん、誰もスキーに行くとは気づかない。しかし、ジーンズの下には、去年の冬、スキーに行こうと思って買ったタイツをはいている。
タイツ君、1年越しだけど、やっと行けるね。

東京駅に着いて、ちょっとびびる。そう、帰省ラッシュの人、人、人……。
これじゃあ、GARA湯沢まで立ち放しかな。まあ、しょうがない。大掃除を抜け出した罰とあきらめたが、意外にもMAXたにがわのGARA湯沢行き二階建て車両の下のほうはガラガラで空席が目立つ。まあ、こんな日にスキー場に行く不届き者は、そんなにいないということだろう。午後1時35分頃に終点のGARA湯沢に着いたが、そこで降りたのは、私を含めて数えるほどだった。

なにせ10年ぶりである。GARA湯沢も初めてである。少しどきどきしながら改札を出て、案内カウンターへ。そこで、日帰りキップのおまけに付いてくるリフト券とスキーレンタルの割引券をもらいレンタルショップでスキーとブーツとポールの3点セットを借りる。

スキーの板がまったく変わっている。
10年前は、自分の身長より10センチ長いスキーが丁度良いとされたものだが、いまは10センチ短い。前と後ろの幅が広くて、かつては板の裏に1本あった溝が、表に二本ついている。「カービングスキー」というらしい。
名前の通り、曲がりやすい。10年ぶりでも、結構それらしくパラレルターンができた。

積雪も十分で雪質は良く、天気にも恵まれた。スキー場から見える山並みが美しい。
身体が覚えているということか、スキーが良くなったせいか、それなりに滑走もできて大満足である。

ただ、困ったことがひとつ。新幹線の中でお弁当を食べたので、食後の歯磨き代わりにガムを買おうと思ったら、新幹線の売店にはないという。GARA湯沢に着いて売店&おみやげ屋に寄ったが、そこにもない。ハイチューやフリスクやのど飴はあるのに、ガムが1種類もないのである。GARA湯沢駅には普通のキヨスクはないという。ゴンドラで昇ったスキー場の売店にもない。
雄大な山々を見つつ滑走しながらも、なんだか、口の中が気になって、気になって……。
東京駅に着いてさっそくリカルデントを買って2個一緒に噛み、自宅に帰ってから早速歯ブラシしてしまいました。
今度GARA湯沢に行くときは、ガムを持参いたします。

Dec 03, 2009

思い切った環境税の導入とたばこ...

鳩山由紀夫首相はいったいどうしたのだろう。
ガソリンなどの暫定税率を廃止してその分環境税を導入するとばかり思っていたのに、急に否定的な発言をしだした。

自民党との政治資金問題をめぐる裏取引があったのか、あるいは母方の実家のタイヤメーカーに気をつかってのことかと勘ぐりたくなる。高速道路無料化と合わせて、いまさら車社会を助長する政策は、2020年に温室効果ガスを1990年比で25%削減するという世界の喝采を浴びた目標と矛盾する。

また、環境税が「環境のための税」という認識も間違っている。温室効果ガスの排出に対して課税することによって排出抑制にはもちろんつながるが、その税収を年金等の社会保障に回すことはドイツなどではすでに行われている。そのことによって、景気後退局面で環境税廃止という安易な方針転換を抑制することにもなる。
きちんと環境税をとって、それを社会保障に回し、年金不安や失業・貧困対策を行うことが政権交代にふさわしい政策転換の方向といえるだろう。

たばこ税についても1本3円程度の増税では意味がない。1箱300円が360円になっても禁煙効果は低く医療費削減にもならないし、税収アップの効果も小さい。
本来は欧米並み水準の1箱1000円が妥当だと思うが、最低でも500円にはしてもらいたい。
事業仕分けの効果は当初目標としていた3兆円の半分の成果しかあげられなかった。ならば、環境税とたばこ増税は、当初の倍の税収を確保するくらいで、ちょうどいい。

民主党にはもっと思い切りが必要だ。そうでなくては未来世代を含む国民にとって「政権交代」の意味はなくなり、むしろ「政権後退」に結びついてしまうだろう。

Nov 03, 2009

どこにでもあるしあわせ

人間は、自分が生まれる場所や時間を選べない。少なくとも私は選んだ記憶がない。
だから人間は、どんな時にも、どんな所ででもしあわせを感じる能力を与えられている。少なくとも私はそう思っている。

キャメロン・ディアスが始めて母親役に挑戦した映画『私の中のあなた』は、冒頭からショッキングな少女の独白で始まる。
十一歳の少女アナが、自分がこの世に生まれてきた理由、すなわち白血病の姉を救うための完璧なドナーとなるため、遺伝子操作により誕生させられたことを告白するのだ。
姉の体調が悪くなるたびに体のあちこちを切りきざまれてきたアナの過酷過ぎる人生。そして、ついに腎臓移植を迫られたとき、彼女は「自分の体は自分で守りたい」と、弁護士を雇って両親を提訴する。
キャメロン・ディアス演じる母親サラは、多くの母親がたぶんそうであるように、子どもを救うためなら何でもするという気持ちが強い。長女ケイトの不治の病を救うために、もうひとりの子どもを生む決断をする。それが倫理的に正しい選択かどうかは、この映画のメインテーマではない。
この映画は、この過酷な設定の中で暮らす家族が、それでもそれぞれにしあわせを感じ、そしてお互いにしあわせを感じあえることを描いている。
二歳のときから白血病をかかえる姉のケイトすら、十分にしあわせを感じて生きている。時に自暴自棄にもなるが、母親譲りの明るさタフさでいまを前向きに生きる。苦しい治療を受けながらも、同じ病をもつテイラーという青年と出会い、恋に落ちる。初めてのときめき、デート、キス、……。どんな薬にも勝る愛の力が、ケイトに生きる喜びと力を与えていく。短い命をキラキラ輝かせるふたりの恋はせつなく美しい。
そして、姉の病を救うためのドナーとして生まれてきた妹アナもまた、実は自分の体を犠牲にして姉を救うという運命を怨んでいるわけではなかった。むしろ、姉の回復を心から願い、献身的に排泄物の面倒までみるようなやさしさを持っていた。アナは、姉を世話すること、自らの体で姉を救うことにしあわせを感じることができていた。
彼女が両親を訴えたのは、姉ケイトの願いを聴き入れたからだった。ケイトは、恋人のテイラーを失って、これ以上治療の苦痛に耐えながら生きていく気力を失ない、死なせてほしいと妹に訴えた。自分ために妹の体を切り刻むことにも、家族が崩壊していくのにも耐えられなかったのだ。
母親サラは元弁護士でもあり、娘のアナの提訴による裁判に自ら弁護に立った。そして、その姉妹のやりとりの真実を、傍聴していた長男の口から知ることになる。すべてを知ったサラが、ケイトと一緒に病院のベッドで最後の夜を過ごすシーンのあたりは、もう涙が止まらない。

少なくとも、自分がときどきしあわせだと感じられる能力とその機会に恵まれていることに感謝したい。そして、どんな時、どんな所でもしあわせを感じられる力を磨き、それを子どもたちに伝えられたら、しあわせである。

Oct 27, 2009

鳩山首相所信表明演説

10月26日、鳩山首相が衆参両院の本会議で就任後初の所信表明演説を行った。
郵政選挙で自民党が大勝して以来、政治不信が徐々に高まり、安倍、福田、麻生と首相が次々に代わってもその不信は高まるばかり。その政治不信を煽ったメディアまでもが信頼を失い日本社会全体に不信が蔓延してきたというのが、このたびの政権交代までの状況だった。
果たして、鳩山首相は所信表明演説で政治への信頼を取り戻すためのビジョンを示したか。
52分という、いままでにない長い所信表明演説なので、見出しだけ並べてみた。

1. はじめに
●戦後行政の大掃除
2. いのちを守り、国民生活を第一とした政治
●友愛政治の原点
●国民のいのちと生活を守る政治
3. 「居場所と出番」のある社会、「支え合って生きていく日本」
●人の笑顔がわが喜び
●地域の「きづな」
●新しい「公共」
4. 人間のための経済
 ●経済・雇用危機の克服と安定した経済成長
 ●「地域主権」改革の断行
5. 「架け橋」としての日本
6. むすび

通読した印象は、少なくとも小泉首相以降では、最も人類史的な長期的かつ広範な視点からのしっかりした理念や方向性を示したものであったと評価できると思う。
特に後半の、「人間としての経済」と「『架け橋』としての日本」で示した経済と外交の方向性は、自民党の破滅に向かう経済成長・軍拡路線との違いを鮮明にし、未来に希望を見出しうるものである。ただし、「日米同盟」を基盤とする外交は、本質的には軍事同盟による外交を意味するものであ.る。「核のない世界」や「いのちと文化」の外交を実現するには、これをどこかで克服し、軍事同盟に拠らないより対等で緊密な日米関係のきずなを結び直す必要が出てくるだろう。

政治主導・国民主導による組織、事業、税金、予算の大掃除、「コンクリートから人へ」の理念に沿った財政再建、弱者のための政治、年金問題への「国家プロジェクト」としての取り組み、「居場所と出番」のある社会、「支え合って生きていく日本」などについても理念、方向性としては共感できる。あとは、これをどう具体的な政策として実行していくか。そこに、国民の政治への信頼が取り戻せるかが懸かっている。

きょうの国会での自民党領袖たちのさえない顔を見ていても、いまのところ自民党の再起は遠そうだ。来年の参議院選挙のための「ばらまき」は必要ないし、逆効果だ。将来世代の借金を減らすための大掃除をこの機会にぜひ断行してもらいたい。

Oct 03, 2009

東京五輪落選の原因

2016年の東京五輪は残念ながら落選してしまった。
でも、そのほうがよかったかも、と思ってしまう体験がある。

一昨年、東京商工会議所中央支部の「環境・資源問題委員会(いまは解散)」の代表として、中央区の環境行動計画の策定委員会に参加した。
そこで、「東京オリンピックを誘致するためにも、メインスタジアムが計画されている中央区が、日本と東京の真ん中からエココミュニティを作っていかなければならない。率先して高いCO2削減目標を打ち上げるべきだ」と提案した。しかし、中央区の対応は、残念ながら期待外れだった。

京都議定書の約束期間2012年までの当面削減目標について。2004年度の中央区のCO2排出量は、1990年度比4.3%増加。これに京都議定書の約束の数値6.0%を加えると2012年までに必要な削減は10.3%となる。ところが中央区が削減目標として掲げたのは1990年比で5.2%削減に過ぎない。
10.3%のうち、約5%は国が森林吸収および京都メカニズムにより削減することになっているので差し引いたというのだ。
なんとも、率先行動とは逆の国任せ、他自治体任せの目標でしかない。
2020年の目標についても、『東京都と連携し、2020(平成32)年までに都の目標「2000(平成12)年比25%の二酸化炭素排出削減」をめざします。』と書き込ませるのがやっとだった。
中央区役所の環境都市づくりへの意気込みというのは、せいぜいそんなものだったのだ。

そもそも東京商工会議所本部の温室効果ガス削減に対する態度は、もっと消極的だった。米国や中国など新興国が参加しないのであれば、日本だけが削減してもしょうがないという態度だった。

そんな中央区や経済団体の態度を身近に感じざるを得なかった私としては、今回東京が環境オリンピックを訴えて当選して世界を欺くことにならず、かえってよかったとも思っている。中央区や産業界が東京五輪落選を残念がるのは筋違いという気もする。

2年前に福田さんが2020年目標について、鳩山さんのように「2020年1990年比25%削減」を宣言していれば、結果は異なっていたかも知れない。しかし、それはなされず、今回の政権交代によってはじめて、本格的な低炭素社会への針路変更がなされた。

ならば、心を入れ替えて、2020年に25%削減を成し遂げて、世界の環境モデル都市での東京五輪を見てもらえばよい。
2016年は南米ではじめてのリオデジャネイロ五輪。当選に喜ぶブラジルの人々の表情からは世界を元気づけるサンバのリズムが聞こえてきそうだった。IOCは順当な選択をしたのではないかと思う。