マネージャーブログ
May 04, 2008
天水に感謝しながらの田植え
循環研棚田・森づくりワークショップ恒例の田植え。今年は5月3日の憲法記念日でした。
天候は小雨。おかげで連休初日の割に道路の混雑もそれほどなく、日焼けの心配もない。鴨川市大山千枚田は、天水つまり雨水だけが頼りの棚田なので、これは恵みの雨なのです。
一列に並んで田んぼに入るとオタマジャクシやカエル、アメンボたちが逃げ惑う。彼らの安寧を邪魔するのは少し気が引けますが、田んぼの泥の感触はなかなか足に気持ちいいのであります。
Jul 18, 2007
地球環境と鉱物資源
7月11日、循環型社会研究会の2007年度循環ワーカー養成講座の第2回は、国連大学ゼロエミッション・フォーラム理事、産業界ネットワーク代表、資源・環境ジャーナリストの谷口正次氏のお話を伺った。テーマは「地球環境と鉱物資源」。
環境ジャーナリストはたくさんいるが、「資源・環境ジャーナリスト」は私だけという谷口氏は、世界各地の各種鉱山を歴訪しており、そこで起こっている大規模な環境破壊について生々しく語ってくださった。特に、ニューカレドニアのゴロー・ニッケル鉱山をめぐる自然環境破壊とこれに抵抗する先住民の闘いの話は印象深いものだった。
谷口氏のお話を聴いていると、日本が取り組んでいる循環型社会構築のための3Rが、いかに下流のエンド・オブ・パイプの取組みに過ぎないかを思い知らされる。われわれ日本人が関心を示さない鉱物資源の開発・採取の段階で、鉱石の採掘・選鉱・輸送に伴って森林が破壊され、表土が剥離され、生態系が破壊され、河川、海洋、地下水、土壌が汚染される。そして鉱山周辺の先住民の人権と文化も侵害される。
この資源採取段階の環境コストについては、日本のLCA研究の視野からも外れている。また、日本で資源の話をするとほとんどが石油や天然ガスのエネルギー資源の話であり、より深刻な環境破壊を招く鉱物資源メジャーの活動への関心は薄い。さらには、国内にめぼしい資源がないという理由だけで、日本では資源に関する専門教育が放棄されていると谷口氏は嘆く。
中国の高度成長等をエンジンとする世界的な金属需給の逼迫、価格高騰を背景に、鉱物資源メジャー間のM&A、再編による世界の資源の寡占支配がますます進んでいる。世界的な資源争奪戦の中で、日本も戦略的な資源外交が問われるところだ。日本の外交の新機軸として掲げられている北東アジアから、中央アジア・コーカサス、トルコ、中・東欧、バルト諸国を結ぶ「自由と繁栄の弧」も資源外交の一環だろうかと尋ねた。これに対して谷口氏は、資源外交を考えるなら、東西に展開するより、南北に展開すべきだと主張する。
地球をスイカに見立てて、縦に5つに分割すると、分割されたスイカにはほとんどあらゆる資源が分布するという。第一のエリアが北米と南米組、第二が極東シベリア、中国、東南アジア、オセアニア組、第三が中央シベリア、中央アジア、カザフスタン、インド、第四が西欧ロシア、東欧、中近東、イラン、アラビア半島、そして第五が北欧、ヨーロッパ、アフリカ。この「スイカ縦割り理論」に基づくと、第二のエリアに所属する日本は、極東ロシア、極東アジア、東南アジア、オセアニアにおいて責任ある資源外交を展開し、域内では調達できないプラチナのように極度に偏在性の高いものだけを域外と取引すればよいという。各エリアには、資源とともにマーケットも均等に分布し、資源物流コストの面でも経済合理性がある。さらには、東西に展開すると一神教対多神教という宗教的、文化的な対立も避けられないが、アジア、オセアニアで南北に展開すれば、そこは基本的に多神教の文化圏であり、対立も少ないという指摘には感心した。
これから夏本番、縦割りのスイカを頬張りながら、世界の鉱物資源問題にも想いをめぐらそうと思う。
Jul 07, 2007
IPCC第四次報告書と低炭素社会の...
6月21日、循環型社会研究会は「2007年度循環ワーカー養成講座」の第1回として、国立環境研究所の西岡秀三先生をお招きし、「IPCC第四次報告書と低炭素社会の実現」というテーマでお話を伺った。
西岡先生は1988年以来日本の研究者としては最も長い期間IPCCの研究に参加されており、今回の第四次評価報告書でも第二作業部会でアジアの温暖化の影響などについてまとめ役を務められている。
印象に残ったお話のポイントを以下にいくつかピックアップしておく。
@ IPCCの役割は、誰も何が正しいかよくわからない地球規模の気候変動に関する研究成果を集めて粛々と評価し、真実を見極めようとすることだった。
A 森林、土壌、海洋など自然のCO2吸収量は炭素換算で3Gt/年、これに対して石油、石炭、天然ガスの燃焼等による人為的排出量は7.2Gt/年で、その差による温室効果ガスの増加が温暖化につながっている。
B 産業革命前からの気温上昇が2℃を超えると危険なレベルとされており、より低いレベルでの安定化のためには、CO2排出量のピークを早め、さらに2050年までに大幅な排出削減が必要である。
C 究極的なCO2削減量の相場感としては、世界全体の排出量=吸収量とすることで、排出量を3Gt/年にすること。世界人口がピークから安定化する水準を100億人と想定すると、一人当たり0.3t/年。これは日本の1990年の排出量を約90%削減することに相当。
D 2050年に日本のCO2排出を1990年比70%削減することは、エネルギー需要の40〜45%削減とエネルギー供給の低炭素化によって可能となる。
E 今後当然見込まれる産業構造転換や国土インフラ投資を早期から低炭素化の方向に向けなければならない。その上に、省エネルギー・低炭素エネルギー技術開発と投資、利用を加速する必要がある。
F 温暖化対策についてはあらゆる手段を研究することが必要。しかし、生態系に大きな影響をもたらすかもしれないマクロエンジニアリングに頼りすぎてはいけない。供給対策だけでなく、需要削減対策が重要。
やはり、地球人類史的な全体的長期的な視点とスロースモールな社会・経済・生活のあり方の追求が必要と受け止めた。
温暖化による破局的な影響を防ぎ、資源戦争を回避するためには、究極的な90%削減をめざすべきであり、持続可能な水準まで削減を先導するのが世界の中での日本の役割だと思う。
May 24, 2007
循環型社会研究会について
循環型社会研究会(略称:循環研)は、次世代に継承すべき自然生態系と調和した循環型社会のあり方を地球的視点から考察し、地域における市民、事業者、行政の循環型社会形成に向けた取組みの研究、支援、実践およびそのための交流を行う」ことを目的として活動する環境NPO。
循環研では、毎年「循環ワーカー養成講座」という、環境問題と循環型社会に関する基礎的な知識と新しい視点を提供する年6回の連続講座を実施している。
今年は、「気候変動とサステナビリティ」がテーマ。IPCC第4次レポートの取りまとめに尽力された国立環境研究所前理事の西岡秀三氏をはじめ、豪華な講師陣のわりに、受講料は循環研の年会費を含んで1万円とお得だ。月1回アフターファイブの日程なので、参加しやすい。詳しくは下記URLをご覧ください。
https://secsvr.com/nord-ise.com/junkan/j_worker_course/j_worker_course2007.html
循環研では、「答えは場にあり」を合言葉に、フィールドワーク活動も行っている。この5月3日には、千葉県鴨川市の大山千枚田で田植えをしてきた。棚田の風はさわやかで、蛙やおたまじゃくし、イモリと戯れると童心に返って、リフレッシュできる。
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